こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。
香料はどのくらい使うのでしょうか?
食品や香粧品によって、香料を加える割合が変わり、おおよそ0.05~40%の範囲で加えられます。
香料業界では賦香率(ふこうりつ)と言います。
賦香(ふこう):香料を加えること
賦香率(ふこうりつ):香料を加える割合
まずは、商品によって加える割合が違うので、見てみましょう。
目次
香料を加える割合の違い
横軸は香料を加える割合を示しており、右に進めば進むほど、割合が高くなります。
このグラフからは香水とオーデコロンは5%以上であり、他と比べて割合が高いということが分かればOKです。具体的な数値を見ていきましょう。
ほとんどの日用品や食品は香料を加える割合は低いです。
キャンデー | 0.05 ~ 0.2% |
炭酸飲料 | 0.05 ~ 0.2% |
アイスクリーム | 0.1 ~ 0.2% |
果汁飲料 | 0.1 ~ 0.2% |
洗剤 | 0.1 ~ 0.2% |
チューインガム | 0.5 ~ 2.0% |
歯みがき | 1.0% |
せっけん | 1.0 ~ 2.0% |
オーデコロン | 5.0 ~ 15.0% |
香水 | 15.0 ~ 40.0% |
2%以下の商品について、香料を加える割合を詳しくみてみましょう。
一般的な食品や日用品は0.2%程度です。
意外とガムに加える割合は高いです。
加える割合を参考にして、香料が入っている量を実際に計算してみましょう。
ジュースに入っている香料の量は?
果汁飲料では、香料を加える割合は0.1~0.2%と低いです。
500mLジュースの場合、香料を加える割合を0.1%として、香料を加える量を(X)としますと、
X =(ジュースの量)×(香料を加える割合)
= 500 mL × 0.1%
= 500 × 0.001(%は100分の1)
= 0.5 mL
香料を加える量は0.5mLです。
香料はスポイトで数滴を垂らす程で十分なのです。
香水に入っている香料の量は?
香水は香料が主役なだけあって、香料を加える割合は15~40%と高いです。
例えば、40mLの香水の場合、香料を加える割合を40%として、香料を加える量を(Y)としますと、
Y =(香水の量)×(香料を加える割合)
= 40 mL × 40%
= 40 × 0.4(%は100分の1)
= 16 mL
香料を加える量は16mL(大さじ約1杯分(15mL))です。
ジュースの時(0.5mL)と比べて、30倍以上の量ですね。
まとめ
香料を加える割合は食品や香粧品によって違い、0.05~40%の範囲で加えられます。
香料を加える割合は、ジュースでは低く(0.1~0.2%)、香水では高い(15~40%)です。
<参考文献>
渡辺洋三『香料用語説明集』日本香料協会 (2011)