こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。
天然香料と合成香料の違いは何でしょうか?
主な違いは以下の点です。
- 有機化合物が含まれる数
- 供給面・品質・価格の安定性
まずは香料の分類を見てみましょう。
目次
香料の分類
図1 香料の分類
香料には大きく2つの分類があり、天然香料と合成香料に分けられます。
天然香料は動植物に含まれている香気成分を抽出したものであり、合成香料は化学反応を用いて人為的に製造されるものです。
天然香料は約1,500種類以上あると言われています。
実際に使用されている天然香料は約200種類です。
天然香料と合成香料の比較
図2 天然香料と合成香料の比較
天然香料の主な原料は動植物です。
植物は気候の変動や天災により不作となる年もあれば、豊作になる年もあるので、供給面で不安定です。
また、品質や価格においても同じように影響を受けるので不安定です。
豊作で供給量が多い場合は、品質は安定し、価格も安価に安定します。
不作の場合は、市場に出回る量が少なくなり、品質は悪くなり、価格は上がります。
供給難になると、入手しにくくなる上、入手できても品質が悪いことはよくあることです。
合成香料において、主な原料は石油化学製品だけではなく植物精油も含みます。
植物精油から得られる合成香料は、原料が天然由来のため、供給面や価格での影響はありますが、品質は安定します。
(中には、天然由来のために、品質に影響する場合もあります)
石油化学製品から得られる合成香料は、供給面・品質・価格において安定です。
有機化合物の数について、
天然香料は数百種類の有機化合物が含まれる集合体です。レモンオイルの場合、200種類以上の有機化合物が含まれています。
合成香料は単一の有機化合物です。
単一であるため、合成香料は単品香料と呼ばれることもあります
天然香料と合成香料の例を以下に示します。
表1 天然香料と合成香料の例
分類 | 例 |
天然香料 | レモンオイル、ローズオイル |
合成香料 | d-リモネン、リナロール |
まとめ
天然香料と合成香料の違いは以下の点です。
- 有機化合物が含まれる数
- 供給面・品質・価格の安定性