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【図解】原子核の発見 原子にプラス(+)電気のかたまりがある

こんにちは、化学系の大学院を卒業し、香料業界で10年以上働いているフィグです。

原子核(げんしかく)はどうやって発見されたのでしょうか?

1911年アーネスト・ラザフォードさんの実験結果より、原子の中心にプラスのかたまりがあるとわかりました。

実験はアルファ粒子(りゅうし)を金の薄い膜にあてることです。

フィグ
フィグ

アルファ粒子って何?ってなりますよね。

まずは、原子の構造やアルファ粒子について見てみましょう。

原子の構造 アルファ粒子(りゅうし)

アルファ粒子はヘリウムの原子核であり、プラスの電気を帯びています。(当時、アルファ粒子の正体は分かっていませんでした)

原子の大きさついては以下の記事を見てみましょう。

プラスの電気はどこに?

原子には電子(マイナスの電気を帯びている)があることはわかっていました。

しかし、世の中の液体や気体は電気を帯びていません。このことから、プラスの電気がどこかにあるだろうと予想されていました。

 

実験内容

アルファ粒子を金の薄い膜へあて、アルファ粒子の方向を観測しました。

フィグ
フィグ

直線的にあてて、どの方向に飛んで行ったかを見たイメージです。

実験予想(仮説)

仮説として、原子をブドウパンのように、原子全体にプラスの電気があり、電子が散らばっていると予想しました。

この仮説から、予想される実験結果は以下のようになると考えられました。

この場合、アルファ粒子は電子の影響を受け、わずかに進路が曲がると予想しました。

イメージとしては、ピッチャーがボール(アルファ粒子)を投げて、バッター(原子)は空振りするか、当たってもファールチップ程度と予想していました。

実際の実験結果を見てみましょう。

 

実験結果

実験したところ、まれに、アルファ粒子が反対方向へ曲がっていることが確認されました。

イメージとしては、ピッチャーがボール(アルファ粒子)を投げたら、ホームランを打ったようなことです。(実際は、アルファ粒子と原子核は接触していません)

 

考察

アルファ粒子の質量は電子の約8000倍のため、電子が方向を曲げたのではないと考えられました。

イメージとして、「150 gのボール(アルファ粒子)が0.02 gのバット(電子)に打ち返されるのは考えられない」ということです。

(通常、硬式野球ボールは150 gであり、金属バットは900 gです。)

フィグ
フィグ

0.02gのペラペラなバットにあたったとしても、打ち返すことができず、バットはバキバキになりますよね。

参考までに計算を以下に示します(読み飛ばしてOKです)

それぞれの質量(g)は以下です。
陽子 :1.673×10^-24
中性子:1.675×10^-24
電子 :9.109×10^-28

アルファ粒子の質量は2つの陽子と2つの中性子で構成されているので
(アルファ粒子)
=(2つの陽子)+(2つの中性子)
= 2 × 1.673×10^-24 + 2 × 1.675×10^-24
= 6.696×10^-24 [g]

アルファ粒子が電子の質量の何倍かは以下の式で求められます。

(アルファ粒子)/(電子)
= 6.696×10^-24 / 9.109×10^-28
= 7647.38

よって、約8000倍です。

ここで、アルファ粒子をボール150gと見立てた場合、バットは8000分の1なので
(バットの質量) = 150 / 8000
         = 0.01875

よって、バットは0.02gです。

ブドウパンモデルのように全体にプラスの電気があるのではなく、原子の中央にプラスの電気が小さく1点あると考えられました。

 

まとめ

  • 実験結果より、原子の中心にプラスのかたまりがある

(この当時では原子核が陽子と中性子でできていることは分かっていません。別の実験で分かるようになっています。)

<参考文献> 
髙森圭介『すぐわかる!ビジュアル化学 改訂新版』 ニュートンプレス (2013).

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