こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。
香料を使う理由は何でしょうか?
これまで強化を説明しましたが、今回は2つ目の理由、補填(ほてん)について見てみましょう。
- 強化 :より香りを強くします
- 補填(ほてん):失われた香りを補います
- 追加・付加 :新たに香りを加えます
- マスキング :好ましくない臭いを隠します
目次
補填(ほてん) ~失われた香りを補う~
商品を作る流れの中で、香りが失われたり、弱まったりすることがあります。
そこで、香料を追加することで、元の香りの状態に戻したり、元の状態以上に香りを豊かにさせたりすることができます。
1つ目の理由の「強化」と似ていますが、失われた香りを戻すという意味で、「補填」としました。
濃縮還元ジュースの例を見てみましょう。
濃縮還元ジュース
濃縮還元ジュースにフレーバーが使われます。
オレンジジュースにオレンジフレーバーを加えることで、よりオレンジの香りがするオレンジジュースになります。
オレンジジュース + オレンジフレーバー
→オレンジ感アップ
この説明だけですと、「強化」と同じように見えるかもしれません。
ここで、濃縮還元ジュースが作られるまでの流れ知ることによって、「補填」の意味を知ることができます。
濃縮還元ジュースができるまで
ジュースができるまでの簡単な流れを以下に示します。
- 搾汁:ブラジルでオレンジを絞ります → ジュース
- 濃縮:ジュースの水分を飛ばします → 濃縮ジュース
- 輸送:船や飛行機で日本に運びます
- 還元:日本で濃縮ジュースに水を加えます → ジュース
この4番目の濃縮ジュースに水を加えるときに、フレーバーも加えます。
なぜかと言いますと、2番目の濃縮ジュースを作る時に、水分を飛ばして濃縮するのですが、水分と共に香りも飛んでしまうためです。
そこで、飛んでしまった香りを輸送後にフレーバーを加えることによって、香りを補っています。
なぜ水分を飛ばして濃縮ジュースにするのでしょうか?
本来の香りが失われたり、弱まったりした時に、香料を加え、香りを補うことで、商品の価値を高めます。
まとめ
香料を使う2つ目の理由
- 補填(ほてん):本来の香りが失われたり、弱まったりした時に失われた香りを補う
次は、「追加・付加」について解説します。