こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。
フレーバーとフレグランスの違いは何でしょうか?
フレーバーとフレグランスによって、用途、対象、創る人の呼び方が違います。
フレーバーはフレーバリストによって創られた食品用香料であり、フレグランスはパフューマーによって創られた香粧品用香料です。
フレーバー | フレグランス | |
---|---|---|
用途 | 食品 | 香粧品 |
対象 | 現実にあるもの | 空想・幻想・情景 |
創る人 | フレーバリスト | パフューマー |
※香粧品(こうしょうひん):香水、化粧品等の食品以外全般
同じように香りを創っているのですが、創る人の呼び方が違うのです。
まずは、フレーバーについて見てみましょう。
目次
フレーバー
- 用途:食品
- 対象:現実にあるもの
- 作る人:フレーバリスト
食品に使われるので、現実にあるものを対象とします。例えば、以下のようなものがあります。
基本的には現実にあるものを対象とします。
食品ならなんでも対象になります。
フレーバーはどんなものに使われる?
果物フレーバー | ジュース、ゼリー、 チューインガム、アイス |
鯛フレーバー | 練り物 |
調理フレーバー (ピザやラーメン) | スナック菓子、カップ麺 |
飲料、お菓子、インスタント食品等に幅広く使われます。
フレーバーを創る人を何と呼ぶ?
食品香料(フレーバー)を創る人をフレーバリストと言います。
対象となる香りにフレーバーを近づけていくことが香りを創る人(フレーバリスト)の腕の見せどころのひとつです。
フレーバリストは、例えば、オレンジの香りにはどんな成分が含まれているのかを調べて、同じ成分を使ってオレンジフレーバーを創っていきます。
オレンジフレーバー = 香り成分A + 香り成分B + ・・・
オレンジフレーバーに「香り成分A」と「香り成分B」等があるから、これらを加えると決めます。
さらに香りに特徴を出したいときに、どの香り成分をどのくらい加えるかを決めていきます。
すっきり感、ジューシー感を出すことも考えます。
基本的に、フレーバーは対象と同じ香り成分を使いますが、例外的に、対象と違う香り成分を使って実物よりも豊かに表現することがあります。
その例外的なフレーバーをファンシーフレーバーと言います。
フレグランス
- 用途:香粧品
- 対象:空想・幻想・情景
- 創る人:パフューマー(調香師)
フレグランスは香粧品(香水、化粧品等の食品以外全般)に使われます。
花の香りのように現実にある香りを対象にすることもありますが、フレグランスの特徴的なことは、空想・幻想・情景を対象とすることです。
対象はなんでもありな世界です。
フレーバーと同じように柑橘(シトラス)系やフルーツ系を対象にすることもあります。
フレグランスはどんなものに使われる?
花の香りのフレグランス(フローラル系フレグランス)は幅広く使われます。
・香水・オーデコロン
・化粧品
・シャンプー
・石鹸
・浴剤
・芳香剤
フレグランスを創る人を何と呼ぶ?
香水・オーデコロン、化粧品、シャンプー、石鹸、浴剤、芳香剤などの香粧品香料(フレグランス)を創る人をパフューマー(調香師:ちょうこうし)と言います。
対象となる香りをイメージして、香りを創ることが腕の見せどころです。
パフューマーは、例えば、「夕暮れ時のタヒチのビーチ」の香りを創る時、想像力でどの成分を入れるかを決めてフレグランスを創っていきます。
夕暮れ時のタヒチのビーチ = 香り成分D + 香り成分E + 香り成分F + ・・・
ひとつのフレグランスを創るために香り成分を数百以上を使うことがあります。
空想のものを表現するので、パフューマーは香りの芸術家やデザイナーと言えます。
まとめ
フレーバー | フレグランス | |
---|---|---|
用途 | 食品 | 香粧品 |
対象 | 現実にあるもの | 空想・幻想・情景 |
創る人 | フレーバリスト | パフューマー |
フレーバーはフレーバリストによって創られた食品用香料であり、フレグランスはパフューマーによって創られた香粧品用香料です。