こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。
香りの正体は何でしょうか?
それは化学物質です。
目次
香りの正体
水、酸素も化学物質です。香り成分は40万あるといわれています。
身近な例として以下があります。
エタノール:お酒や消毒液のにおい
塩素 :プールのにおい
酢酸 :酢の物のにおい
香り成分はひとつだけでも香りますが、いろんな香り成分が集まることで、特徴的な香りが完成します。香料で使われる香り成分は有機化合物といわれています。
有機化合物の例:エタノール、酢酸 (「塩素」は無機化合物です。)
オレンジの香りの様子を見てみましょう。

オレンジの香り成分が1種類あるのではなく、香り成分A、B、C……といろいろな香り成分が合わさってオレンジの香りになります。
具体的には、香り成分Aはリモネン、香り成分Bはデシルアルデヒド、香り成分Cはオクチルアルデヒド、香り成分Dはリナロール、香り成分Eはシトラール、香り成分Fはナリンジン、、、他にも多種の香り成分が混ぜ合わさって、オレンジの香りになります。
レモンやライムもオレンジと似た香り成分を持っています。
香りと香り成分の関係を料理の例と野球の例で見てみましょう。
料理の例
香りは料理で、香り成分は砂糖や塩などの調味料です。
香り成分を混ぜ合わせることは砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ、酒等をうまく混ぜることと似ています。
野球の例

ここから特殊な例なので、読み飛ばして問題ないです。
香りはチームで、香り成分が選手です。
いろんな選手が集まって、チームカラー(チームの特徴や強さ)がでます。
・平凡な強さのチーム
・弱いチーム
・強いチーム(守備力が高い)
・強いチーム(攻撃力が高い)
例えば、平凡な選手が集まったチームは平凡な強さのチームです。

もし、少し空振りの多い選手が集まると弱いチームになります。

もし、捕球ミスが少なくて、レーザービームのように送球が良い選手が多いと、最小失点で抑えることができます。このチームは守備力が高く、強いチームです。

もしくは、失点したとしても、連打、長打が打てる打者がそろっていると、すぐに点を取り返すことのできます。このチームは攻撃力が高く、強いチームになります。

選手ひとりひとりが香り成分です。チームが選手によって成り立つように、香りも香り成分によって決まります。
自然界にある香りの場合、9人チームではなく、数十人~数百人の球団のイメージです。

バナナの香りは200種類以上の香り成分によってできています。

200種類以上ありますが、香りの成分ごとに入っている量は違います。バナナらしさを決める香り成分がいくつかあり、残りはほとんど微量です。(バナナの代表的な香り成分は別の機会に解説します。)
まとめ
香りの正体は化学物質であり、香料では有機化合物です。
香りはいろんな香り成分から成り立っていることが多いです。