こんにちは、化学系の大学院を卒業し、香料業界で10年以上働いているフィグです。
香料業界で溶剤(ようざい)とは何でしょうか?
溶剤は溶媒(ようばい)であり、溶質(ようしつ)を溶かすものです。
フィグ
溶媒、溶質って何?ってなりますよね。
少し化学用語が出てきますが図解で見ていきましょう。
目次
溶液(ようえき)・溶媒(ようばい)・溶質(ようしつ)の違い
化学の世界では溶液・溶媒・溶質という言葉をよく使います。
- 溶媒:溶質を溶かすのに用いた成分
- 溶質:溶かされた成分
- 溶液:溶質+溶媒(溶剤)
理科とか化学では溶媒と使うことが多く、香料業界では溶媒のことを溶剤と言うことが多いです。
フィグ
高校や大学では溶媒、業界によっては溶剤と言うイメージです。
何が溶媒で何が溶質かを身近にある砂糖水で見てみましょう。
砂糖水
- 溶媒:溶質を溶かすのに用いた成分→水
- 溶質:溶かされた成分 →砂糖
- 溶液:溶質+溶媒(溶剤) →砂糖水
砂糖水の場合は、水が溶媒で砂糖が溶質です。砂糖は水に溶かされ、水は砂糖を溶かすとも言えます。
香水の場合を見てみましょう。
香水
- 溶剤:アルコールと水
- 溶質:香り成分
- 溶液:香水
香水の場合は、アルコールと水が溶媒で香り成分が溶質です。アルコールと水に香り成分を溶かすと香水ができます。
香水の中に香り成分(香料)はどのくらいの割合で入っているのでしょうか?
溶剤の例
香料の世界でよく使われる溶剤を見てみましょう。
フレーバーでよく使われる溶剤
・水
・エタノール(エチルアルコール)
・プロピレングリコール(PG)
・グリセリン
・トリアセチン
・油脂類
フィグ
水やエタノールはシャバシャバ、グリセリンやトリアセチンはドロッとした液体です。
フレグランスでよく使われる溶剤
・クエン酸トリエチル(トリエチルシトレート)
・ジプロピレングリコール(DPG)
溶剤に求められるポイント
・安価
・香り成分が溶けやすいこと
・無味無臭
・毒性が無いこと
・適度に常温で気体になること
・適度に香り成分を保持すること
適度に気体になること(=香り成分を放出すること)と保持することは、芳香剤が良い例です。適度に香りを感じる必要があり、長い間、香りを感じ続ける必要があります。
まとめ
溶剤=溶媒
- 溶媒:溶質を溶かすのに用いた成分
- 溶質:溶かされた成分
- 溶液:溶質+溶媒(溶剤)