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【図解】合成香料の分類

top synthetic aroma chemicals

こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。

合成香料の分類にはどんなものがあるでしょうか?

それは以下です。

  • 単離香料
  • 半合成香料
  • 全合成香料
フィグ
フィグ

実務で、半合成香料や全合成香料という言葉はあまり使いませんが、どんなものかを知っておくと良いです。

まずは単離香料を見てみましょう。

単離香料

isolated aroma chemicals

図1 単離香料

単離香料とは植物や動物由来の原料から、ある1つの有機化合物を取り出したものです。

単離香料は植物精油から取り出すことが多いです。

フィグ
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単離香料は植物精油から取り出すことが多いです。

植物精油は数百種類の有機化合物の集合体であり、イメージ図として、〇▽◇等のひとつひとつの図形が有機化合物の種類とすると、数百種類の図形がある状態です。

この中から、特定の有機化合物を取り出すことを単離と言います。例えば、〇の有機化合物だけを取り出すことです。

例としてオレンジから得られる単離香料を見てみましょう。

isolated aroma chemicals d-limonene

図2 単離香料 例 d-リモネン

オレンジの場合、まずオレンジからオレンジオイルを採油します。

そのオレンジオイルから取り出したい単一の有機化合物を単離させることで、単離香料のd-リモネンが得られます。

半合成香料

semi-synthetic aroma chemicals

図3 半合成香料

半合成香料は単離香料を原料とし、化学反応を用いて作られるものです。

イメージとしては、図中の〇から▢へ変化し、別ものになります。

半合成香料も単離香料と同じく、単一の有機化合物です。

例えば、d-リモネンを出発原料として見てみましょう。

semi-synthetic aroma chemicals l-carvone

図4 半合成香料 例 l(エル)-カルボン

d-リモネンを化学反応させることで、l(エル)-カルボンが得られます。

フィグ
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化学反応させると収量は元より減ることがほとんどです。

d-リモネンよりさかのぼって、オレンジからl-カルボンが得られる流れを以下に示します。

flow from natural aromatic products to semi-synthetic aroma chemicals

図5 天然香料から半合成香料までの流れ 例 l-カルボン

l-カルボンを得るためには、オレンジを採油し、オレンジオイルからd-リモネンを単離させ、化学反応させることです。

オレンジが不作の場合、オレンジオイルの生産量が減ります。

オレンジオイルの生産量が減ると、d-リモネンの生産量も減ります。

d-リモネンの生産量が減ると、l-カルボンの生産量も減ります。

フィグ
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オレンジの生産量が減少すると、オレンジオイル、d-リモネン、l-カルボンの価格は上がります。

原料からの流れを知ることで、オレンジの生産量がl-カルボンの生産量に影響することが分かります。

全合成香料

synthetic aroma chemicals

図6 全合成香料

全合成香料は石油や石炭化学工業から得られる石油化学製品から、化学反応を用いて作られるものです。

スチレンを出発原料にした場合の例を見てみましょう。

synthetic aroma chemicals b-Phenylethyl Alcohol

図7 全合成香料 例 β-フェニルエチルアルコール 

スチレンを化学反応させることで、β(ベータ)-フェニルエチルアルコールが得られます。

まとめ

classification synthetic aroma chemicals

図8 合成香料の分類

合成香料の分類は以下の3つです。

単離香料植物や動物由来の原料から、ある1つの有機化合物を取り出したもの
半合成香料単離香料を原料とし、化学反応を用いて作られるもの
全合成香料石油や石炭化学工業から得られる石油化学製品から、化学反応を用いて作られるもの

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